妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【読書】 「アイネクライネナハトムジーク」を読んでみた

今回からは、新たに「伊坂幸太郎作品を気まぐれに紹介する」のコーナーが始まりました。

まぁ、伊坂作品も結構好き嫌いあるから、全部紹介する事はないんだけど、だいたい好きな作品を紹介します。

そんな、一番最初に紹介する作品はこちら。

 

 

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アイネクライネナハトムジーク

一番最初にして、現在一番新しい文庫本(2017/8/5初版)である。

ザックリ紹介すると、恋愛に関する短編小説である。

この作品は、元々歌手の斉藤和義氏からの依頼で執筆したものである。

伊坂幸太郎先生は斉藤和義氏の楽曲「幸福な朝食退屈な夕食」をきっかけに専業作家になったと言う話を聞いたことがある。

そんな大好きな歌手からの依頼となれば、頑張っちゃうよねって。

実際に書いたのは、依頼された歌詞ではなく、小説だけど。

で、そのきっかけとなったアルバムがコレ。

 

 

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あらセクシー。

確か、この頃ベストとして「黒盤」「白盤」があって、新アルバムとして「紅盤」が出たような。

ちょうど10年前くらいのアルバムかしらん?

このアルバムの一番最初に収録されてる「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」がその楽曲である。

 

 

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そのシングルカットがコレ、更に初回特典には元となった小説が付いてる。

この「アイネクライネ」「ライトヘビー」の2編が初回特典に収録されている小説で、「アイネクライネナハトムジーク」はこの2編の小説から広がった短編集です。

 

関係ないけど、伊坂先生の本を読み始めた時期と斉藤和義氏の曲を聴くようになった時期が同じだったりする。

伊坂先生の本を読むきっかけは某漫画だったけど、斉藤和義氏の曲を聴くようになったの、「オリオン通り」だったかな?

で、ウィキって、同じ高校出身やんってなって聴いたような気がする学科違うけど些細な問題だ。

 

無駄に前置きが長くなってしまったが、各あらすじでも。

【アイネクライネ】

妻に出ていかれたサラリーマン「藤間」・・・の後輩の話。

妻に出ていかれ、精神的ショックのあまりデータを消した藤間。

その尻ぬぐいを後輩でありこの物語の主人公である「佐藤」に上司の嫌がらせとデータの補充の為に街頭アンケートを行うように命令される。

その街頭テレビでは、日本人ボクサーがヘビー級のタイトルマッチに挑戦するニュースが。

その佐藤は、ある女性と出会ってからアンケートが捗ったり、同級生の織田一真と話したりしているうちに「男女の出会い」の話になり、後日職場復帰した藤間に奥さんとの出会いについて聞いてみたり。

 

【ライトヘビー】

美容師「美奈子」が常連の「板橋」に弟を紹介すると言われた。

とりあえず、電話のやりとりを行って、半年も続く。

次第に電話先の相手に惹かれていく。

だが、その相手は・・・。

ここでも、アイネクライネに出てきた日本人ボクサー「ウィンストン小野」がタイトルマッチに挑戦する話が出てくる。

ちなみに、この短編では話を聞いてあげると、歌の一部を再生して聴かせてくれる謎の「斉藤さん」が出てくる。

彼が聴かせる楽曲は斉藤和義氏の曲で、例のシングルの初回特典だからね。

 

ドクメンタ

妻に逃げられた男藤間が、免許センターで出会ったある女性との話。

5年に免許センターで出会うその女性は藤間さんと同じ性格をしているらしくて意気投合し始める。

そんな女性との関わりで起きた奇跡の話。

 

【ルックスライク】

「アイネクライネ」から時は流れ、佐藤の友人の織田一真の娘の同級生「久留米」が主人公。

彼は、憧れの同級生である「織田美緒」にあることを頼まれる。

もう一方で、話は過去「笹塚朱美」と「邦彦」の出会いと別れ。

この短編のキーワードは「サプライズ」であり、この二つの話の意味は?

 

【メイクアップ】

ライトヘビーの美奈子の友人である「山田」の部下「窪田結衣」の話。

時代的には、「ウィンストン小野」がチャンピオンになって、結構経過した頃かしら。

仕事先で高校時代のいじめっ子と再会してしまった。

その彼女から合コンの誘いを受けたが、彼女はあの頃と変わったのか?

コレもまた、一つの奇跡の話・・・なのか?

 

【ナハトムジーク】(ネタバレ注意)

これまでの話のまとめにして、日本人ボクサー「ウィンストン小野」の栄光と挫折の物語。

「アイネクライネ」の織田一真の奥さん、織田由美と「ライトヘビー」の美奈子が高校の時の同級生で、美奈子とウィンストン小野が織田家にやってきた話とか。

ウィンストン小野が織田家に遊びに来た時に出会った姉弟と、挫折からの10年後の世界戦のラウンドボーイの繋がり。

あと、織田美緒が藤間の娘「亜美子」と同級生だったり。

 

 

感想としては、全体的にウィンストン小野の物語であると同時に「恋愛」と「友愛」の物語だった。

元々は「出会い」をキーワードにした「恋愛」が「アイネクライネ」と「ライトヘビー」であったけど、ここまで広がりがあると次第に「友愛」の物語であると解説にもある。

時空を超え、仕掛けもあり、各登場人物が何かしらの繋がりがあって、それに気が付くとふおおおおってなって。

「ルックスライク」はふおおおってなる(語彙力ない感)

とはいえ、伊坂先生の小説って、時空を超える、仕掛けもある登場人物につながりがあるって言うのは定番と言えば定番なんだけどねぇ。

なるべくネタバレは控えるスタンスで行きたかったが、ちょっと軽く出てしまった・・・。

 

あと、伊坂先生の小説は読了感が凄く爽やかなんだよね。

なんか、ネットで見かけた「ハッピーエンド」の定義として、ただ登場人物が幸せになって物語が終わると言う事ではなく、読者が爽やかで幸せな気分(良い読了感)を得られたかどうかによるみたいな事を書いてあったんです。

その定義で行くと、伊坂先生は「ハッピーエンド作家」なのかもしれない。