妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【読書】 「ペンギン・ハイウェイ」を読んでみた

森見作品紹介記事第八弾。

しばらく本を読む機会が減ったせいで、しばらく更新が滞ったこの頃。

今回紹介する作品はこちら。

 

 

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森見登美彦著「ペンギン・ハイウェイ

今回は珍しく舞台は京都でもなく、主人公は大学生でもない。

 

あらすじ

ぼくがまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。

毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。

ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れてた。

このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした。

少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。

 

主な登場人物。

アオヤマ少年、様々な研究に忙しい小学四年生。

立派な大人になる為に、日々努力をしているしチェスも強い。

ノートを取るのも好き、色々なことを知るのも好きな良い子。

怒ることも泣くこともない少年ではあるが、頑固で融通がきかない。

あと、おっぱいが好き。

色んな意味で将来が心配である。

 

お姉さん、アオヤマ少年の通う歯科医院の歯科助手

街に発生したペンギンたちと関係のある謎の多い女性であり、美女であり、おっぱいが大きい。

その美しさは、「お姉さんの顔、うれしさ、遺伝子、カンペキ」である。

このお姉さんがアオヤマ少年の研究している様々なことについての全ての謎を解く鍵になっていたりする。

「海辺のカフェ」で勉強したり、休日は教会に寄ったり、時々大学の講義に行ったりと行動力旺盛であり、地味にアオヤマ少年と行動していることが多い。

 

ウチダ君、アオヤマ少年の友人にして、一緒に行動(研究、探索)をしていることが多い。

宇宙の事が好きだし、ちょっと哲学的なことを言う時もある。

アオヤマ少年よりは男女の機敏は敏感であり、アオヤマ少年のおっぱい好きに呆れることもある。

 

ハマモトさん、アオヤマ少年とウチダ君の同級生の女の子。

栗色の髪のかわいい女の子で、チェスも強い。

ちなみに、アオヤマ少年、ウチダ君に不思議な物体である〈海〉の事を教え、共同研究をすることになる。

実はアオヤマ少年が好きみたいだけど、当の本人は「ハマモトさんにはおっぱいがない」とザックリとwww

少年はお姉さんが好きだから、あの年頃の少年は年上に憧れるものなのよ、ハマモトさん。

ハマモトさんも、数年したら、おっぱいがね、うん(←色々とアレな発言)

 

スズキ君、「スズキ君帝国初代皇帝」(アオヤマ少年談)である。

要はクラスのガキ大将ってところ。

何かとアオヤマ少年に突っかかるが、スズキ君、ハマモトさんにラブラブだから。

でも、ハマモトさんはアオヤマ少年にラブラブで、アオヤマ少年はお姉さんにラブラブだから・・・嗚呼、複雑な人間模様!!

アオヤマ少年の研究「プロジェクト・アマゾン」(街に流れている河がどこまで流れているかの探検)で作った地図を奪っては、子分のコバヤシ君とナガサキ君を率いて探検したり。

それでも、アオヤマ少年は「僕らが逆方向を探検し、スズキ君と仲良くなれば地図が充実する」と寛大な事を言う。

なんか、器でアオヤマ少年に負けてる感がする・・・。

 

 

感想。

まぁ、体裁が小学生が描いた記録って事になってるせいか、かわいい文章である。

夜は短し歩けよ乙女」の乙女の文体とは違うかわいさ。

子供らしいかわいらしさである、まぁアオヤマ少年は親からみたら理想的な子供っぽい雰囲気あるけど、実際にはめんどくさいガキだろうなぁって思うけどwww

 

あと、「恋文の技術」に負けず劣らずの「おっぱい小説」ですね、大好きです。

 

文庫版51ページでは素晴らしい会話があります。

「アオヤマ君はスズキ君にも怒らないんだね」

「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」

 

まぁ、おっぱいがって言う問題はさておき、このアオヤマ少年のアンガーマネジメントがしっかりしている事、素晴らしい。

世の中の怒りっぽい大人たちも見習うべき思考ですよ。

 

あとは、「死」についてのウチダ君の考え。

文庫版287-290の部分について、「自分と世界と死」についてまとめると。

自分が死んだら、世界は終わる。

だけど、他の人にとっては世界は続いている。

この「世界」は自分が存在する為の「世界」であり、自分が死んだら「自分が存在した世界」が消失してしまうが「自分が失われた世界は続いていく」って観念。

この考えに似たような事は「藤子・F・不二雄異色短編集3箱舟はいっぱい」に収録されている「どことなくなんとなく」に近い感じがする。

確かに、この観念はだいたいの人は考える観念であると思うし、それを小学四年生で感じたウチダ君もアオヤマ少年に劣らず優秀なのかもしれない。

 

で、おっぱいばかりでアレな話かと思えば、アオヤマ少年の研究、探索の全て、ペンギンやお姉さん、そして〈海〉の謎が全て繋がった時、エウレカ

うん、エウレカってなんだ?

ゲーマーとしては、FF3しか連想出来なかったが・・・。

 

読んだ結果、解説の通りに「最後のページを読んだとき、アオヤマ君とこの本を抱きしめたく」なった。

最後の2行、ずるいってなった。

アオヤマ君、本当に、本当に立派な大人になってって思った。