妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【妄想】 定番なアレを現代風にしてみた

今日の妄想は、昔考えていたネタなんですが、ふと思い出したので呟く程度に書いてみる。
ちょっと、「秒速50センチの下り坂」のかおり編にしようかと思ったが、色々と辻褄が合わなくなったので、別の話。


最悪な女だ・・・。
隣の席に座ってきたこの女の第一印象はソレだった。
普通なら、見た目は悪くない、まぁ中の上と言った転校生の女子が隣に座ってきたらラッキーと思うのだが。
俺はこの女の本性を初対面で見てしまったから、最初に言った通りの最悪な印象であり、最悪な気分だ。

それは、今朝の登校中の話。
夏休みが終わり、9月初めの登校日。
怠惰に惰眠を貪る生活から、また規則正しい生活に戻った事による憂鬱な気分で、まだまだ暑い通学路を歩いている訳で。
頭の中で「だりー、だりー」と連呼しながらだらだらと歩いていると、周りには歩きスマホしながら歩いている生徒がちらほらと。
俺もスマホは持ってはいるが、特に見るものもないし、某チャットアプリを使う程の友達も居ない。
誤解のないように言うと、別に友達が居ない訳ではなく、わざわざチャットアプリを使って年がら年中会話するような付き合いをする奴等じゃないって事だから。
いや、ちゃんと居ますよ、中学からの腐れ縁の中田とか、坂上とか!!
あぁ、若干坂上が下ネタを送ってくるくらいかなー、スルーしてるが。
なんて、誰ともなく言い訳していたら、横路から誰かぶつかってきた。
ボーッとしていただけに虚をつかれよろめいた。
ぶつかって来たのは、うちの学校の制服の女子だが、同学年にしては見たことないような?
見たことないと行っても、別に全員チェックするような破廉恥なマネはしてない。
そういえば、坂上がしてたなぁ、あいつは破廉恥が服着たような男だから良いや。
どうやら、この女子は俺にぶつかった拍子にスマホを落としたようだ。
「あぁ、わる・・・・」
「ちょっと、痛いじゃないの!!スマホも落としたし、どうしてくれるの!!」
謝ろうとしたら、いきなり怒鳴られたので、俺もイラッとしてきた。
「はぁ?まずぶつかったらごめんなさいだろ、この野郎!!」
「レディに向かってこの野郎はないでしょ!!」
「レディと言うのは、マナーがしっかりしてる淑女の事を言うんだよ、お前みたいな歩きスマホしてるマナーのない奴はこの野郎で充分だこの野郎!!」
自分でもよく分からない事言ってるなぁと思いながらも、目の前に居る無礼な女に向かって怒鳴っていた。
「女の子に向かって怒鳴るのはマナーに反してるじゃないの、このマナー違反野郎!!」
「俺は紳士だわ、無礼者には無礼で返す、これがマナーだわボケェ!!」
「うっさいボケェ!!!」
そして、俺とこの女は「ボケェ!!」の応酬を繰り返し、遅刻寸前に気が付いて学校に向かおうとする。
「コラー、逃げるのかボケェ!!」
「うっせぇ、遅刻するだろうがボケェ!!」
女はスマホの画面を見て、遅刻寸前と言う事実に気が付いたら。
「ああああぁ!!!うそ、もうこんな時間!!!ああああぁ、もう、ボケェ!!!」
「いや、時間教えてもらってボケェはねぇだろ、ボケェ!!」
俺は、この女と一緒に走りながら互いに罵倒しあい登校した。
「なについてってんのさ、ストーカーかボケェ!!」
「ストーカーされる女ってのは、良い女に決まってるだろう、ボケェ!!それに学校に向かってるなら方向一緒だろうが、ボケェ!!」
「うっさい、ボケェ!!」
俺は猛ダッシュで厄介なボケ女を振り切った。

教室に着いた俺は、息を切らしながら席に向かうと坂上がニヤニヤしてた。
「おい、お前。なんか女子と仲良く登校してたけど、彼女か?」
「お前の目には互いに罵倒するのが仲良しに見えるのか?」
「罵倒って、お前はどんだけバイオレンスなんだ?」
坂上は呆れたような顔をしてたが、あの状況を是非体験して貰いたいわ。
「良いから、休ませろ」
席に座った俺に、前の席の中田が話しかけてきた。
「よ、タク。今日はなんか転入生が来るみたいだな、しかも女子!!」
「マジでか!!可愛い子だと良いな!!」
嗚呼、坂上よ、その元気俺に分けてくれ。
「あぁ、いきなりボケェとか怒鳴ってくるような女子以外なら何でも良いわ」
「何言ってるんだ、お前?」
「中田には言って無かったか、ちと無礼な女子がいてな」
俺は中田に先ほどの経緯を話そうとしたその時、先生がやってきた。
「お前らァァァ、おはよう!!!」
この先生の無駄な勢いのよさは罵倒し走った後の疲れた状態に悪い・・・。
「今日から転入生が来てるから、みんな仲良くするように」
と、教室に入ってきた転入生は。
「あ、あの時のスマホ女!!!」
「あ、あの時のマナー紳士!!!」
まさかのあの女だった・・・。
ボケェと怒鳴ってこない女子ならなんでも良いと言ったそばから、なぜにドンピシャでこいつが来るんだ。
「なんだ、お前ら知り合いか?」
「いや、こんな無礼な女は知り合いじゃないッス」
「私だって知りませんよ、こんな奴!!」
先生の質問に、俺と女は答えた。
「つーか、マナー紳士ってなんだよ、タク」
中田が笑っていやがる、これはこれでなんか恥ずかしい。
「あとで説明するわ、説明しようとしたら先生来たからな」
二人でひそひそしてたら、先生に注意された。
「じゃあ、なんかお前ら何かのフラグ立ってるから、タクの隣な!!!」
はぁぁぁぁ、何だよフラグって!!!
「先生は色んなアニメを観たり、ゲームをやってるから、お前らは隣同士であるべきだと先生としての勘がな!!」
「いや、止めて下さい・・・」
そんな声がかき消されるかのようにクラス中から囃し立てる声が聞こえた。
「うるせぇぞ、おめぇらァァァァ!!!」
先生が一番うるせぇよ、色んな意味で。
「とりあえず、お前はフラグが立ってるタクの隣だ、異論は聞くけど却下する!!」
「フラグって何?って言うか本気でこのボケの隣なの・・・嫌だ」
心底嫌そうな顔してるなぁ、今の俺も同じような顔してるんだろうなぁ。
「青春って良いな、お前らァァァ!!!」
嗚呼、先生がうるせぇ。
そんな感じで、最悪な二学期が始まった。



まぁ、アレですね、食パン咥えた女の子とぶつかって喧嘩するって定番のアレを歩きスマホしてる女の子とぶつかったと言う現代風にしてみた話です。