妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【読書】 「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を読んでみた

今回は、なんとなく衝動買いしたら読んだ結果何か良かったみたいな本を紹介します。

本当に良かったんです(語彙力ない感)

 

 

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デボラ・インストール著「a Robot in the garden」

 

・あらすじ

AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に就くアンドロイドが日々モデルチェンジする近未来のイギリス南部の村。

弁護士として活躍する妻エイミーとは対照的に、親から譲り受けた家で漫然と過ごす34歳のベン。

そんな夫に妻は苛立ち夫婦は崩壊寸前。

ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけた旧式のロボットのタングを発見。

他のアンドロイドにはない「何か」をタングから感じたベンは、作り主を探そうと、アメリカへ。

中年ダメ男とポンコツロボットの珍道中が始まった・・・。

 

・感想

ザックリと言うと、コレは「再生」の物語なんです。

最初は、壊れかけのタングを直す為にアメリカ、日本、パラオと地球を半周する旅をする。

周りのことを何一つ出来なかったダメな大人のベンとわがままな子供のようなロボットであるタングの苦難の旅。

旅のきっかけは、タングの底面に書かれていた鉄板の文字を頼りにイギリスからアメリカ、そこからたらい回しのようにタングの製作者、修理出来る人の手がかりを求め世界を回る。

なんとなく、前半はロードムービー感あるし、この作品、「映画化したい一冊」って書いてあるけどこうも舞台が各地に広がるとお金かかりそうって思った。

でも、映画化するときは日本にも来て欲しいなぁ。

 

無事タングの修理が完了すると、次はベンの家族の再生の話になる。

ここまで言うと、凄くネタバレしてるよねってなるけど、だいたいこーゆー話だとタング確実に直るでしょ!!

ネタバレついでに言うと、後半は、ベンの家族だけでなく「心の再生」って感じもするんだよね。

 

もうね、俺、こーゆー話に弱いのよねぇ!!

ダメになった人間の再生物語ってね、凄く好きなのよ!!

多分、自分が人としてダメになった故の共感と願望な部分も否めないが、「再生」がキーワードな物語に弱い。

でも、再生だけでなく、ベンとタングの二人(一人と一体?)「成長」の話でもあるんだよね、コレ。

 

・雑記

最後に凄く穿った事を話す。

この作品についてググると、一部で「英国版のドラえもん」とどう考えても見当違いの事を書いてあったので、確かにロボットと人間の友情物語と言う見かたとしては間違いではないけど、どちらかと言うと、友情って言うか親子みたいな感じだし・・・。

 

タングは可愛いって言葉も聞くけど、コレはタングの知性(AI)が子供そのものであるから。

著者も自分の子供に当てはめた部分はあるみたいな事をあとがきであるし。

タングを見ていると、人間の知性の成長にはAIの進歩を手助けするヒントになってる、もうすでにそういう技術があるんじゃないのかって考えてしまう。

そこは、AI技術の進歩についての知識は全くないから俺の勝手な想像だけどね。

 

ロボットの心についても、「夢があるなぁ」って言っていられるうちは平和だなぁって感じる。

実際に、今の技術じゃロボットに心を作るのは可能か不可能かって話をよく見る。

そもそも、「心」って何なのかって話になるし、ロボット工学の知識のない俺の勝手なイメージでは前提として膨大な量のプログラム(言葉、意味、選択、他)をロボットに入れなければならないし、その量にロボットは入り切るのかって事になるし。

人工知能は膨大な言葉(知識)を入れているが、その言葉の組み合わせが心と言えるのかって話になる。

人工知能については、俺が昔読んだ新書「人間とはどういう生物か」(石川幹人著)って言う本が凄く興味深かった記憶がある。

AIに心を入れるには、まず「言葉」に「意味」を理解させる事から始めないとならないが、その「意味」自身が曖昧であるから、感覚として理解するにはAI(コンピュータ)だけでは難しいような事を書いてあった・・・ってこれを書いてる俺自身何を書いているのかよく分らなくなってきた・・・。

つまりは、ロボットには意味を持たせる事が出来ないって事であるらしい。

ま、そんな知識は物語を楽しむ上では無用な知識ではあるけどね、個人的には興味深いけど。

 

で、仮にロボットに心が生まれたとしよう。

そうなると、ロボットも一つの「生命」として権利が出てくる可能性がある。

ただでさえ、人間や動物の権利問題で十分めんどくさいのに、何を好き好んで無駄に技術を使ってよりめんどくさい社会を作ろうとするんだって話になる。

この作品にも、うっすらと権利の様な話が出てくるけど、俺としては上記の感想を抱いた。

確かに「アンドロイドにも権利を!!」って考えは人間の情から来るモノであると同時に傲慢でもあるんだよね。

権利って人間の考えだした概念だからね、それをロボットに押し付けるのは傲慢だよ。

確かに、SFに出てくるようなロボットは夢がある、便利である。

その便利さ故の不便さって言うのは出てくるだろうね、ここで言った権利問題の他に。

 

そこで連想したのが、「ロボット」の語源となった戯曲である、チャペックの「R.U.R(ロボット)」だったり。

この作品の結末は(人類にとって)最悪な物で、元々はロボットって言う存在はあまり良い印象は無かったと言われている。

便利である故に人間の仕事を奪うって見かたがあるからね。

日本だと、アニメのイメージがあるから良いイメージ持ってるけど、日本と海外のロボットの印象って調べるとなんか面白そうなのでググろうかな。

海外では、「奴隷」や「反乱」のイメージがあるけど、日本だとアニメが持つ「友達」や「ヒーロー」ってイメージがあるでしょ。

 

そう考えると、ロボットのイメージがそんなに良くない海外でこんなロボットに友好的な小説が出たのって凄いって思う。

それ故に、もし本当にこの作品が映画化されるなら日本と言う国に来ることは外せないだろうな。

タングに対する日本人の反応は、凄く日本人らしくて笑える。

あと、この物語の最大のジョーク(?)である、アンドロイドによる新たな性癖とかねwww

これについては、この小説でも描かれるまでもなく、HENTI王国Nipponでも18禁ものでたくさん描かれているから・・・。

 

と、最後に最悪な事を言ってしまった訳ですが。

この話は、本当に良い小説でした。

この小説を読んで、ロボットについて考える機会になれば良いよね。