読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【読書】 「LAST Fantasy」を読んでみた

水曜どうでしょう」が大好きな私は、「ミスターどうでしょう」である鈴井貴之氏の小説を読みました。

 

 

f:id:mousousou:20170223045241j:plain

 


内容としては、鈴井さんの「前口上」「小説本編」「後口上」「本編その後」となり、「前口上」「後口上」はエッセイだねコレ。

本編のあらすじは、子供の時に母親に捨てられ父親と死別した主人公の女性は、大人になっても交際した男に捨てらる。
それでも、その男の子供を産む決意をして産まれた結果、その子は産まれながら難病を抱えていた。
人を信用出来ず、家庭や愛を知らず、ただ自分を捨てた人達に復讐する為に子供を産み育て、献身的な母親を演じ手術費用の募金をし、TVのドキュメンタリーに出演したりする。


タイトルの「ラストファンタジー」とは「幻想から決別し、現実を見つめる事」
まぁ、何が「幻想」で何が「現実」であったかは、本編最後に語られるとして。


コレを読んでみての率直な感覚は、「退廃的」と言う言葉が出てきました。
前に読んだエッセイ「ダメ人間」の文庫版巻末に書かれた対談で「鈴井貴之太宰治」ってワードがありましたが、これを読んでなんかしっくりきました。

まぁ、誤解のないように言っておきますが、俺はただただ後味の悪いバッドエンドな物語は嫌いだけど、この作品に見られるような退廃的ではあるけど何か一つの救いがあるような物語は嫌いじゃなかったりする。

口上部分を読んだ感じとしては、過去は淘汰され忘れられているが、過去があったから今がある。
今があるから未来を見つめられる。
過去は呑み込まれ、姿を変えてしまったけど、確かにそこにあった物。
失われていくから美しい。
何か、本編より口上部分に触れてるけど、まぁ、ほぼ直観的な感想なんで。


本当に、良い意味での「退廃的」であった。
「ダメ人間」もそうだけど、ミスターの小説、好きだわ。