妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【妄想】 「スタローン&不二子」

あぁ、重い!!!
俺の肩に寄りかかって、だらしなく歩いているこいつ、美香子を支えながら俺は登校していた。
「全く、こうだらしないと嫁の貰い手もないっつーの!!」
「大丈夫だ、貰い手なら既に隣に居る」
「だったら、もう少しシャンとしろ!!」
「あー」
このやりとりも、変わらぬ日常だ。
ちなみに、最初にこの会話をした時は凄く動揺はしたけど、流石に何度もやってると色気もクソもないし、実際にこいつは全く色気がない!!
まぁ、これもマッスルボディになるための訓練だと思って頑張っているが。
しかし、小学一年からの習慣がまさか中学にもなって、それも受験になろうとするこの時期まで続くとは思わなかった。
流石に中学に上がった時は知らない奴等から囃し立てられる事はあったけど、俺だって肩を組むくらいだったら腕を組ながら登校したいわ!!
それも、もう少し胸のある女子とな。
「ちょ、おま!!起きろよ重い!!」
「ん?女の子に向かって重いとは失礼だぞ、これでも体重は少ない方だからな」
「いや、胸がないからそれは重々承知だが、寝られると負荷が」
「その発言は普通にセクハラだし、今は成長期だから胸がないのは仕方がない。成長期が終わったら不二子ちゃんのようにボンキュッボンになる予定だから楽しみにしていろ。あと、マッスルボディになると言うのなら、お姫様抱っこで運べ!!この体勢は割と辛い」
勝手な事を言う貧乳野郎だ。
中三になってペチャパイじゃ希望もないだろうに。
「お姫様抱っこは、それに相応しい女にならやってやるよ。ただし、俺がスタローン並みの肉体になってからだ!!」
「じゃ、スタローンになるまで待ってるよ!!その時には私は不二子ちゃんだ」
「あぁ、期待しないで待ってるよ。不二子ちゃんにならなくても、スタローンになって、まだお前に嫁の貰い手が無かったらお姫様抱っこでもしてやるよ」
「期待しないで待ってるよ。不二子ちゃんになったら、嫁の貰い手は引く手あまただからな」
このやりとりも、何回繰り返してきたのか。
俺がスタローンのような肉体に憧れたのは、小さい頃に観た「ランボー」だった。
あの映画で俺の人生が決まったと言っても過言ではない。
今でこそ、ガリガリの肉体だけど、成長期が終わればスタローンのようなマッスルになる予定だ。
マッスルは食べ物から作られると言う信念により、最近では筋肉になる食材や栄養について調べてバランスの良い食事を作るようになってる。
そのせいか、母親は全く食事を作らなくなったけど、別に母親の食事が不味いと言う訳ではない。
栄養学にドハマりした俺が悪いと言うか・・・。
「ほら、学校に着いたぞ!!」
「ん?いつも悪いねぇ」
「悪いと思うなら、ちゃんと早く起きろ」
と、教室に着くまで俺の肩に寄りかかっていやがるのは、いつもの事だ。
「よぉ、ロッキー、いつもラブラブだな」
席に着いて、後ろの席の富田が冷やかしている。
これもいつもの事だ。
ちなみに、ロッキーとは「轟」と言う名字の宿命なあだ名だ。
無論、スタローンみたいで俺は気に入っている。
「本当なら、胸のある別の女子と腕を組ながら登校したいわ」
「照れるなよ、アレでも浅岡の奴モテるんだぜ」
「そうなんだ」
なんだ、貧乳でも嫁の貰い手引く手あまたみたいだな。
ただ、そのような話は美香子からは一人だけしか聞いた事ないような。
アレはアレで愉快な話だったけど。
「まぁ、あんな感じで毎日登校してきたら手を出す奴も居ないんだけどな」
俺が虫除けみたいな言い方だな。
「出来る事なら誰かにバトンを渡したいぜ。そして、俺は胸のある女子と腕を組ながら登校だ!!そして『轟君の逞しい腕、素敵』と言われるでことうけあい!」
「ヒョロガリが何を」
「今は成長期だから!!高校生になったらスタローンになる予定だから!!」
「あんた達、本当にお似合いね!!」
俺と富田のやりとりの横で声をかけてきたのは、隣の席の西村だった。
「お似合いって、俺とこいつか?そんな趣味ねぇぞ!!」
「違うよバカ、ロッキーと美香子よ。言ってることだいたい同じだし、どっちもスタローンや不二子ちゃんになれる素質なさそうだし」
富田の抗議に西村は何を言ってるんだといった感じで答えた。
「何を言っている西村よ、俺と一緒に腕を組ながら下校をすれば、この逞しい筋肉の脈動を」
「うん、見事に骨ね。それにあんたと下校したら美香子に怒られるでしょ、お互いに」
「そっか?」
寧ろ、彼女が出来ておめでとうと言ってくれそうだが。
「あーもー、この男は!!美香子の事どう思ってるんだか?」
「妹?それも恐ろしく手のかかる」
何故か西村の奴、怒ってるな。
「あぁー、なんか分からなくもないけど、あぁー」
西村、頭を抱えて呻いてる。
ロリコン王子に取られても知らないから!!」
「中村か?あいつ前に美香子に告白して怒りを買ったような?」
ロリコン王子こと中村は、バスケ部のエースで顔が良いのだが、発言に所々アレな所があり、何も知らない女子からは人気あるが、俺らの周りではロリコン王子と呼ばれてる、いわゆる「残念なイケメン」ってやつだ。
まぁ、中三でロリコンって言うのも変な話だが。
「『合法ロリ事件』かぁ」
富田の言う「合法ロリ事件」は、中村が美香子へ告白の際に、「合法ロリ」と発して怒りを買った事件である。
あいつはあいつで成長期が終わったらセクシーボディな不二子ちゃんになる予定だからな、「合法ロリ」なんて言われたら腹立つよなぁ。
中村は、顔と運動神経は良いけど、まぁバカな奴だ。
ロリコン王子」なる不名誉極まりないあだ名を受け入れた挙げ句に喜んで自分から言ってるくらいだから。
「そう考えると、スタローンになってもあいつにお姫様抱っこは出来そうにないな」
「ちょ、お姫様抱っこって何」
さっきまで怒ってた西村が嬉しそうに反応してきた。
「あぁ、今朝のやりとりで『お姫様抱っこしろ』とかぬかしてきたんだよ、ただでさえ油断すると体重がかかってきて重くなるのにだ」
「女の子に重いは禁句、やってあげれば良いじゃん、自慢の筋肉で」
「いや、重いと言っても力の抜けた人間の質量の話だ。あと、自慢の筋肉は、数年後に付く予定だ!!」
「そうですか。あ、先生が来た」
今日もこうやって一日が始まるも、美香子のやつは・・・まだ寝たまんまだ。
アレで学年トップの成績なんだから、睡眠は学習に良いのか?


と、だらだらと書いた妄想。
基本的にノープランな妄想ブロガーなので、この話は続くかどうかは未定。