妄草の想原

妄想、連想、感想、そして愛想

【妄想】 初詣

だらだらとテレビを観てたら、携帯が鳴った。
着信は、カナからのようだが、察しはつくが、こんな時間に電話なんて。
「あけおめ、ヤス!!初詣いこ!!」
「今テレビ観てるから却下、あと、あけおめ」
全く、あいつは急に何か思い付いた事があると、俺を巻き込む。
「良いじゃん、今からそっち行くね!!」
あぁ、人の話を聞いちゃいねぇ!!
で、10分くらいしてから、カナが家に来た。
「まだ準備してないの!!早く行くよ!!」
「誰が行くと行った。それに今の状況じゃ人だって凄いだろうに、来週行こうぜ」
「ちょ、来週って正月の有り難みがないでしょ!!ちょうど『笑っちゃあかん』終わってるんだから」
まぁ、勝手に俺の上着やら色々準備してくれて。
カナと付き合うようになってしばらく経つし、互いに部屋とか行ってるからなぁ、俺の部屋に何があるか把握していらっしゃる。
「カナ、ちょっとこっち来て」
「なにーもう!!コタツから出なさいよー」
カナが俺のそばに来た所を狙って、奴をコタツに引きずり込んだ。
「あーもー、何すんの!!初詣行くの!!」
「この安息の地で、わざわざ寒いとこに行くのは愚行だろー」
「ぐこうって、また変な言葉使って」
俺は、文句言うカナを抱き寄せてみた。
「ほら、暖かいだろー。カナが居るとより暖かいわぁ」
「うん、そうね。でも、外に出るとより暖かく感じるよ」
あぁ、付き合い始めた頃は、なんかこう、初々しかったのに、今はちょっと反応がねぇ。
「うーん、コタツ入ったら、なんか食べたくなったから冷蔵庫に何かない?」
「俺の食生活を知ってるだろ?お前が居ないとまともなものはない」
「えー、じゃあコンビニに行かなきゃダメじゃん!!」
「じゃあ、何か酒でも買ってきてー」
カナが立ち上がったと思ったら、俺の腕を掴んできた。
「午前0時の真夜中にレディを一人歩かせる気?」
ここに来る時、一人で歩いてたから平気、だなんて頭では思っていても、口には出せないな。
「結局、外に出るハメになるとはな」
流石に俺は観念した。
で、俺とカナはコンビニまで歩いて下らない会話していた。
「こんな時間に食べたら太るんじゃないのか?」
「大丈夫、細身だから寧ろ太った方が良いし」
「俺としては、ここに脂肪があれば良いよ」
カナの胸を指差して言ってやった。
「そうなのよねぇ、なかなか脂肪が付かなくて」
「胸があろうと無かろうと、俺はカナが大好きだから」
「ありがと。まぁ、胸があれば初詣じゃなくて『初揉んで』をさせてあげたかったけどねー」
カナは胸を揉むような仕草で俺を見ていた。
「時々お前、オッサンみたいなこと言うよな。」
「なによ失礼な、こんなうら若き乙女を捕まえて」
「いやいや、『初揉んで』なんてうら若き乙女の言うセリフじゃねぇよ」
「初揉んではいいから、初詣行く?屋台とかあるだろうし」
「うーん・・・たこ焼きとか魅惑的ではあるな」
と、こうやってまんまとカナの思い通りに事が進んでしまうから、カナが恐ろしいのか、俺が甘いのか。
「あぁ、もう!!初詣が終わったら初揉んでするからな!!!」
「ちょ、バカ!!何を公衆の面前で言ってるの!!」
あ、照れてやがる。
やっぱ、こいつの照れた顔は可愛いわ。
そう思ってたら、ついカナの事を抱き締めていた。
「ヤス、初揉んではまだ、なんだからね!!」
「あ、いや、つい、思わず・・・」
とりあえず、カナを離してから、改めて腕を組んで初詣に向かう事にした。
また、今年もこいつに振り回されるのかと。
こんな良い顔されたら、それも悪くないか。